「 Nippon-Jin 」

 

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- 年末年始 -

 

年末年始になると、サロンには、たくさんのお客様のご来店があります。

一昔前は、「年越し」という日本の行事を重んじて、身の回りのこと、仕事のこと、やり残しがなく新年を向かえられるようにと、いろいろと忙しく過ごす。

新年は、ご馳走を作り、晴れの日のための新しい洋服を新調し、参拝や挨拶まわり、または、家族のだんらんの時を過ごす。そんな年末年始がありました。

 

以前は、年末年始にシャンプーブローやセットのお客様が多く、

「なにかあるのですか?」とお聞きすると、かならずと言っていいほど「挨拶まわりです。」という返事が返ってきていました。

一年の挨拶をして回るだけなのに、ヘアもきちんとして行かなければならない。身だしなみとして当たり前といえばそうなのですが、相手に対しての誠意や気遣いであり、人から褒められたいのではなく、自分自身の心意気のあらわれだとおもいますので、とても素敵な心がけだとおもいます。

 

近年では、お正月も通常の祭日のようになってきているのか、服を新調したり、着物で過ごす、という風習やそのような光景もめっきり少なくなりました。

 

日本人自体の、そのような気構えが薄らいでしまったのか、または、そのようなキチンとした格好で出かける場所自体、減ってしまったのか、とても残念におもいます。

 

- ツマラナイもの -

 

以前、年末に仕事をしていたら、「どうしても電話を変わってほしい。」というお客様から、お電話がありました。

電話に出てみると「今、店の前にいるから出てきて !」と言われています。

 

突然のことに、わけがわからず、さて、これは何かと、店の外に出てみると、店の横に立たれていた外国人のお客様が、贈り物を差し出されて

「・・・ツマラナイものですが。」と言ってこられました。

「すみせん。わざわざありがとうございます。」と、お礼を言うと、

また、頭をペコペコしながら、

厳粛な顔をされて「・・・ツマラナイものですが。」と言われていました。

 

どこかで、日本の文化や習慣を勉強されたのでしょう。

 

12月の寒空のなか、そのようなやり取りをしていますから、こちらも、

「わざわざ、持ってきていただいてすみません。どうぞ寒いですから、中に入ってください。」と声をかけたとところ、

「いえいえ、今日は時間がないので、これで失礼します。」と帰られました。

 

 

ツマラナイもの・・・。他の国の方が知ったら、おどろくような言葉です。選びに選んだ品物を、どうして、ツマラナイものだと言わなければならないか。

その方も、その言いなれない言葉に、若干棒読みのようでしたが、こちらも驚いた反面、思わず笑顔になってしまいました。

 

おそらく、その方は、差し上げる相手が日本人だから、失礼がないようにと、気を遣って下さったのだとおもいます。

本当に日本をよく勉強されている方も多くいらっしゃいますので、恐縮してしまいます。

 

- Gift -

 

海外の方は、ギフトを差し上げる時に、この品物がどれだけ良い品物か、を相手に説明をし、それと同時に相手を讃えているようにおもいます。

 

「あなたは、とても素晴らしい人です。ですから、わたしが選んだこの素晴らしい品物が、立派で素敵なあなたに、ピッタリです。ですから、どうぞ、この素晴らしい品物を受け取ってください。」

 

それに対して日本人の考えはこうです。

 

「あなたは、とても素晴らしい人です。ですから、わたしが選んだこの品物など、立派で素敵なあなたに、到底およぶような品物ではありません。そのような理由でツマラナイものかもしれませんが、どうぞ受け取ってください。」

 

日本人だからゆえの、謙遜の美徳、相手へのゆかしい配慮、相手を敬う心配り。

贈り物は、お返しがほしいから、あげるわけではありません。

 

どちらも、相手を褒め讃えていることには、変わりはないのですが、そこまで考えるのか、というほどの日本人の奥ゆかしさは素晴らしいと思わずにはいれません。

 

- Nippon-Jin -

 

年末に挨拶回りをしたり、贈り物をおくり。年始にはまた年賀状を出し、挨拶をして、新しい気持ちではじめる。

きちんと終わり、きちんとはじめる。

 

「はじめ」と、「おわり」をきちんとしなければ、うまくは行かない。

うまくいったからといって、決して驕ることなく、常にまわりへの感謝の気持ちや、相手を敬う配慮を忘れない。

そして、誰かに言われたからやるのではなく、自分の誠意として行動する気高さ。

 

そのような、日本人としての文化を、年末年始の忙しいなかで感じることが多々あります。

私たちも、「みだしなみ文化」の一部をお手伝いしている立場ですので、そのことを肝に銘じ、誇りに思って仕事をしなければいけません。

 

このような気持ちを忘れずに、いろいろな人の役に立てればとおもいます

 

keisuke - moriyama

 

 

 

 


 

 

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