「 Najimi 」

 

Y.S.PARK Official Blog

 

Welcome To Y.S.PARK

 



 

 

 - Fitted - 

 

Cutをして差し上げた方から、「 切りたても良かったけど1,2週間ぐらいしたらもっと良くなった。」と言われることがあります。褒めていただいているのでありがたいことなのですが、複雑な心境になります。

後日良くなったという根拠は、どうも「なじみ」らしいのですが、なじんだ状態とは、どういう状態なのか?

では、はじめから「なじんだ状態」で、して差し上げられないか?と思ったものです。

 

余談になりますが、家カレーが二日目に美味しくなるという話は、有名です。最近では、なぜ二日目に美味しいのか、化学的な根拠まであります。

二日目のカレーといえば「熟成された」「濃厚な」「旨味」など連想します。その中で「味がしみ込んだ」または「なじんだ」という言葉も当てはまります。

 

全体の味が調和されるまでに時間がかかるのであれば、ヘアもそうでしょうか。はじめから「なじんだ」感じというのは、ある程度の時間がキーなのでしょう。

 - fringe cut - 

 

特に「なじみ」が顕著にあらわれるのは前髪CUTです。

パッツリ切ったものが、なんか浮いている感じがしても1週間すると不思議となじみます。

まず、毎日見ていた前髪が、ものの5分くらいで激変するわけですから、カットがどうのこうのというよりは、急に顔が変わった感じがして落ち着きません。

ですが、しばらくみていると見慣れるのでしょうか、「これはこれでいいか」と、気分的なものが大きいのかもしれません。見慣れることによっての「なじみ」もあるのでしょう。

 

前髪カットの技術的なことでいえば、まず、髪の毛の生え方、生えくせ、すなわち毛流をよくみなければいけません。

一番おでこに近い「第一線」の生え際は、ほとんどの場合強い毛流があります。それに対して「第二線」は、毛流がほとんどありませんから見極めるのが大変です。

基本的には、毛流に逆らわないように、変に引っ張ったりしない。

 

髪を引っ張ることを「テンションをかける」といいます。変にテンションをかけないで切ることが基本です。前髪を引っ張って切ったら短くなった。これは、初心者に良くある失敗です。

前髪はおでこの広さによりますが、そう長くはありません。髪の毛は短いと「浮く」もっと短いと「立つ」ようになりますから、5mm切ったら、浮いて1cm短くなった。というようなこともあります。ですから、その「キワ」で行う場合は、かなり慎重に行います。

 

髪の毛は、毎日0.3mm~0.4mm伸びています。しかも、すべての髪が同じには伸びません。もし、まっすぐなラインでカットをしても一週間で2.1mm~2.8mmの範囲で一本一本がバラバラに伸びますので、まっすぐなカットラインも少しばらけます。これが「少し」なじんだ状態でしょうか。

 

それでは、一度まっすぐに切り、その毛先の2mm~3mmの範囲をハサミを縦にいれて、綺麗に不揃いにする。これだけでもだいぶ「なじんだ」感じがします。

カット施述は特に、「切りたての感じ」から、「切ってから1週間後ぐらい」の「なじんだ」テイストでコントロール、調節をし、切り分けることが可能です。

切ってから2週間後になると、あまり、切った感がありませんので、おすすめではありません。

 - natural wave - 

 

パーマ施述においても、「なじみ」はあります。

やはりパーマを施した1~2週間後の感じは、なじんでくるのでしょうか。

パーマの場合、シャンプーなどをするたびに、少しずつとれてきます。全体にパーマをかけても少しづつ箇所箇所でムラムラに取れてきます。

 

よく、「取れかけの感じで」とお客様からオーダーをいただくことがあります。かけたても良いけど、取れかけのルーズさ、アンニュイさがいいのでしょう。

取れかけのパーマを施すには、ロッドのサイズで調節していきます。パーマロッドは、1mm間隔でそれぞれありますので、1mm違いのものを交互に巻いていったり、1~3mm違いのものを数種類使用したりします。「綺麗なムラ、不揃い感」でウェーブ構成をすることができます。

薬液の時間でも調節できます。はじめから「カッチリ」と施すことも出来ますし、その反対に「綺麗なムラ」にもできます。

このように工夫をし、技を使う事で、パーマをかけて1~2週間後のかかり上がりを作り込めます。

 - round tooth - 

 

カットは通常、コームでシェープをし手で挟んで切るのですが、Y.S.PARKの製品、Cutting Comb、YS-452に代表される「Round Tooth」私たちの通称「丸歯(マルバ)」のコームは、コームの歯の断面が丸いのです。

丸歯のコームは、髪の毛との摩擦抵抗がないため、どのようにシェイピングしても一定のテンション以上はかかりません。それに丸歯の場合、精密にはシェイピングできませんので、丸歯でカットしたものを「密歯」で引き直してみると、ちょうど、約1〜2mmぐらいの長短の誤差が出ます。

 

これは、カットを施して一週間後のカットラインを指しているわけですので、普通に使用をしていても、自動的に「自然な不揃い感」「なじんだ」カットラインを作ることが出来ます。そして、Y.S.PARKの丸歯のカッティングコームは密歯から荒歯までラインナップがありますので、微調節がかなり効き「なじみ」に対して、大変有効なツールであります。

 

通常カッティングコームは断面が四角い、テンションを効かせやすい、通称「角歯(カクバ)」ですので、丸歯コームを初めて使ったとき、あまりのテンションのなさに驚きます。

ロングレイヤーの場合など、テンションが効かないので、初心者には非常に高い技術力がなければ使いこなせません。髪が落ちるスピードより、手が早く動かなければ、水引きのような、美しいシェープはできません。

 

普通にカットしているだけで、自動的に一週間後のカットラインが作れるわけですから、技術力の高い、ヘアカッターには、大変便利な道具ですし、そのように理解をして使用すれば、いろいろな活用が出来ます。

 

 

 

美しいデザインは、人を幸せな気持ちにさせてくれます。

ほんの少しの心がけで、ヘアの出来栄えは、ずいぶんと変わってきます。

これからも、ひとりでも多くの方の役にたてれるように、トレーニングしていきます。

 

Keisuke Moriyama

 

 

 



当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載無断使用を禁止します。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.